今週12日のNEWSな2人では、 児童養護施設が取り上げられます。存在は知っているけれど、実際はどんな生活を送っているのでしょうか?施設に入る一番多い理由とは何なのでしょうか?
また、近年の事例調査では入所理由の割合に変化が見られてきているとも言います。児童養護施設の実態とは?今に迫ってみます。
児童養護施設入所の一番多い理由は?
様々な理由で、子供を育てることが困難になってしまった親が子供を預ける所。それが児童施設です。幼いうちから、両親と死別してしまった子供の行く場所というイメージが強いですが、理由はそれだけではありません。
厚生労働省の調査によると、
乳児院や児童養護施設では虐待を理由とした入所が増加。
入所理由別にみると,乳児院では「父母の精神疾患等」(19.1%)と「父母の虐待・酷使」(9.2%)が多い。児童養護施設では「父母の虐待・酷使」(14.4%)と「父母の放任・怠だ」(13.8%)が多い。里親委託では「養育拒否」(16.0%)と「父母の行方不明」(14.3%)が多い。一般的に虐待とされる「放任・怠だ」「虐待・酷使」「棄児」「養育拒否」を合計すると,乳児院では27.2%,児童養護施設では33.1%,里親委託では36.5%と多くの割合を占めており,乳児院や児童養護施設ではその割合が上昇している。
出典:厚生労働省ホームページ
これによると、乳児院と児童施設では理由が少しこ異なります。乳児院では両親の病気が一位で、児童施設では両親の虐待が一位となっています。しかし、総合すると、理由として一番の要因は両親の虐待です。ここで言う乳児院とは2歳くらいまでの子供が暮らす施設です。
児童養護施設には、親が経済的理由などで育てられず愛情はあるにも関わらず、やむなく預けるというケースも見られます。
私が小学の頃ですが、児童養護施設から学校に来ている子がいました。どのような事情かは知りませんでしたが、とても良い子でした。
児童養護施設は何も特別なことはなく、家と同じ扱いですからそこで他の子供と暮らして、普通の生活をしています。知的障害でない限り、20歳までには独立をしなくてはいけません。
施設を出た後は、保護者がいないのでアパートを借りるのにも難渋するなど、出所後の生活環境は決して良いものと言えない厳しい現実もあります。
中には高校生の頃からバイトをして、出所後の資金を稼ぐ子供もいます。
近年の事例調査では割合に変化が?
先程、理由として一番の要因は両親の虐待と書きましたが、近年の事例調査ではその割合に変化が見られるようです。再度、厚生労働省からの引用すると、
知的障害や発達障害のある者が増えている。
入所・委託児童の年齢をみると,養護施設児は10~14歳が約4割を占め,最も多い。里親委託児では5~9歳が全体の約3割となっている。
入所・委託時の年齢は,養護施設児が5.9歳,里親委託児が5.5歳であり,里親委託児の委託時年齢が上昇傾向にある。平均入所・委託期間は,養護施設児が4.6年,里親委託児が3.9年で,里親委託児の平均委託期間が短くなっている。
乳児院児,養護施設児,里親委託児の心身の状況をみると,いずれも,知的障害や発達障害などの障害がある者の割合が高まっている。
出典:同上
知的障害や発達障害のある子の入所が増えているということです。しかしながら、親の虐待による入所が多いことに変わりはありません。悲しいことに、すべての親が子供を愛せるという訳ではないのです。
まとめ
今回は、「 児童養護施設入所の一番多い理由は?近年の事例調査では割合に変化が・NEWSな2人」ということでお届けしました。
増える虐待に、親の病気、子供が児童養護施設に入所する理由は様々ですが、日本で里親の元へ行く子供はわずか10%ということで、欧米が半数近くあるのに比べると、その低い数字が問題視されています。
また資金不足でボランティアに頼らざるをえないなど、資金繰りが厳しい現実もあります。子どもたちの独立や独立後のサポートも、子供の負担が大きくなりがちで十分とは言えません。
虐待されていた子供はともかく、そうでない子供にとって、家庭で暮らすことが幸せなのか、それとも施設がいいのか、はっきりした答えは出ていません。
しかし、子どもたちにとって一番必要なのは、親からの愛であることには違いありません。
そして、親も子供を持つときには、快楽だけに身を任せず、十分な覚悟ができているのか熟考することが必要なのではないでしょうか。